鉄分の吸収にも必須
鉄分の吸収にもビタミンCが大きく関係しています。
鉄分の不足が原因で起きる症状としては貧血、めまい、冷え性などがあります。鉄分は主に十二指腸から吸収されますが、十二指腸内は腸液の影響で弱アルカリ性です。
鉄のイオン状態にはFe2+とFe3+があり、 Fe2+の方がFe3+よりもアルカリ性の環境下では溶け易い状態です。ビタミンCによってFe3+からFe2+へ移行しやすくなるので、鉄分の吸収率を高めてくれます。
鉄分を吸収するうえでも、ビタミンCはなくてはならない存在です。
風邪に対する抵抗力を高めます
「風邪をひいたらビタミンC」という通説がありますね。
1970年代に、風邪を予防・緩和する可能性があるとの研究結果が公表され、特に着目されるようになりました。これが、「風邪にはビタミンC」という定説になったのだと思われます。ただし、風邪の治療という観点からすると効果は無いというのが現在の知見です。
ですが、風邪の予防という観点では、普段からビタミンCのサプリメントを摂取している人が風邪にかかった場合に、その症状の継続期間がやや短く、また若干軽くなる効果はあるようです。
また、子供さんの場合には、ビタミンCが風邪を予防する効果は大きかったという試験結果が報告されてるとのことです。
ですから、「風邪をひいたらビタミンC」というのは、あながち間違っていないのかもしれません。
みかんやレモンを食べると、その食品に含まれている他の栄養素も摂取しています。特に、野菜や果物に含まれるポリフェノール類には、免疫力をつける成分が豊富に含まれています。
もし風邪をひいてしまったら、まず休養と睡眠、そしてバランスの良い食事です。水分補給とたんぱく質、ミネラルの摂取を心がけてください。
抗酸化作用による病気の予防
呼吸によって体内に取り入れた酸素の数パーセントが、「活性酸素」と呼ばれる反応性の高い物質に変化します。「活性酸素」はその高い酸化力で、有害なウィルスを撃退してくれるのですが、あまりに増えすぎるとDNAやたんぱく質を傷つけたり、細胞の機能を低下させます。その結果、ガンや動脈硬化、脳卒中、糖尿病などが発症しやすくなります。
ビタミンCは、この「活性酸素」を捕捉し、無害化する「抗酸化作用」があるのです。また、活性酸素によって白血球が傷つかないように守ってくれているのです。
老化予防
ビタミンCとEを多く摂取している人は、アルツハイマー病が少ないという研究結果が数年前に報告されたそうです。
アルツハイマー病は脳全体が次第に萎縮して様々な機能が失われてしまう病気で、記憶力や判断力などが失われ、やがては認知症を引き起こします。
アルツハイマー病は、アミロイドβという物質が活性酸素によって脳の神経細胞に溜まってしまうことが原因で発症します。ビタミンCは活性酸素の働きを抑えて、このアミロイドβが脳内に留まらないようにします。